平成十年十月十日に高架駅として新しく生まれ変わった海南駅は、
海南市にふさわしい駅となりました。
海南駅周辺は、昔は海辺であり、日方から名高にかけて
細長い砂浜(砂州)がのびていました。
(室町時代末期ごろまで)
この砂州では、春日神社の馬場が設けられ
県下各地から寄り集まった馬が速力を競い合うので、
見物客も大勢かけつけました。
今は、馬場町という地名に名残りを留めています。
春日神社の秋祭り「おみこし行列」も海南駅周辺で行われていました。
また、「井松原合戦」の古戦場としても知られています。
昔は、海岸沿いに松林が並んでいて、
「井松原」と呼ばれていました。
春日神社は、紀伊国神名帳に
「正一位春日大神」と位置づけられている
格式の高い神社です。
海南市では「正一位」を与えられたのは、
現存社では、春日神社だけで聖武天皇から
代々の祈願所として朝廷の厚い保護を受けていました。
祭神は、「天押帯日子命(『古事記』)」で
古代大和豪族ワニ氏の祖にあたります。
また、元春日という神林よりご神意により、
吉方位を撰び現在の地に移転鎮座したため
「方位除け」の神様としてまた、「厄除け」の神様として崇拝されています。